口腔育成とは『子どもたちをむし歯のない、健全なかみ合わせ・歯ならびの大人にしていくこと』
これがふかもり歯科の最も大切にしているミッションのひとつです。
大人になるまでの間にむし歯をつくらないことは人生において大きなメリットとなります。
なぜなら、大人になった時にはすでにむし歯のできにくいお口の中ができあがっているからです。
幼い時から定期的に歯科医院に通い、しっかり管理していくことはその簡単な第一歩です。
咬合異常の原因には環境的なもの(後天的なもの)以外に遺伝的なものも確かに影響があり、子どもの時期の介入に関しては色々な見方・考え方があります。しかし、成長期に現れる異常を早期に発見し、その影響を可及的に小さくするよう手段を講じることに大きな意味があることは間違いないでしょう。
子どもにはそのステージごとの正常なお口の中の状態があります。
例えば、この写真のように乳歯が生え揃ったときには
1.歯と歯の間にしっかりと空隙がある
2.歯列のアーチの形が良い
3.上の顎と下の顎の正中がずれていない
4.前歯のかみ合わせが被りすぎず、または隙間が空いていない
などの項目がしっかり達成されているか、チェックします。
正常な状態から離れ始めていると考えられる場合には
そのステージにおいて正しい状態になるように手助けが必要です。
『もう少し様子を見ましょう』のままになっていませんか?
かみ合わせ・歯ならびの悪いお子さんの共通点として口呼吸が認められることが多く、成長期に口呼吸していることが顎の発育・成長に悪い影響を与えていると考えられています。
口呼吸から咬合異常への大まかな流れとしては
①鼻の粘膜に炎症が生じて鼻で呼吸しづらくなる。
②口で呼吸することによってアデノイドや咽頭部のリンパ組織が腫れて気道が狭くなる。
③このような状態で口で呼吸がしやすいように顎の位置を習慣的に取るようになり、同様に顎の形もそれに適応して発達したり、舌の位置(低位、前に出す)をとるようになる。口唇・頬などの筋肉も正常に機能しなくなり、歯列や顎の位置にも異常が生じる。
お子さまは口呼吸されてませんか?チェックリストへ
そこで口腔の発達が十分でなく、口呼吸が認められるお子さんの基本的な治療の流れとしては
・写真のような装置(拡大装置)を用いて上の顎を拡げること
(鼻腔も拡がり鼻呼吸しやすくなります。歯のがたつき(叢生)も改善します。)
・下の顎は大きく拡げることは困難であるので内側に倒れ込んでいる歯を装置を用いて起こすこと
・同時に舌や口腔周囲筋のトレーニングを行って、それらを正常な位置に導いたり機能を取り戻すこと
これらのことを必要に応じて組み合わせて行っていきます。